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国際看護師とは?必要な資格や語学力、給料について解説

記事掲載日:2020/12/10

国際看護師とは?必要な資格や語学力、給料について解説

先進国や途上国を問わず、世界のさまざまな国で活躍するのが国際看護師です。日本とは違った環境での仕事に、憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。

また海外は看護師の給与水準も高めであることが多い点も魅力ですね。

今回は、国際看護師を目指す人に向けて必要な資格や語学力、そして給料事情について解説します。


ただし現在は新型コロナウイルスの影響で、国際看護師として働きはじめるのは難しい状況です。

国際看護師とは

国際看護師という資格はありません。国際社会で働く看護師の呼び名です。看護師として海外で働くための方法を全部で3つ見ていきましょう。

海外で資格を取って看護師として働く

まずは海外で資格を取ってから看護師として働く方法です。海外では国ごとに看護師の資格があります。
日本で取得した資格は使えないため、海外で看護師資格を取得しなければいけません。


取得方法は国によって異なります。

国際医療ボランティアで看護師として働く

国際医療ボランティアで働く方法もあります。さまざまな団体が看護師を含む医療職を海外、とくに途上国を中心に派遣しており、団体に所属することで海外へ行って働けるようになるでしょう。


ボランティアとして派遣されるため、日本の看護師資格をそのまま活用できるのがメリットです。

看護留学で看護師として働く

最後は看護留学で働く方法です。技術を深める、視野を広げることを目的に海外の医療機関に留学をし、アシスタントとして働きます。

海外で資格を取って看護師として働く方法

海外で資格を取って看護師として働く際、資格の取得方法は国によって異なります。

日本ですでに看護師として働いていた場合の、代表的な国における資格の取り方を給料水準と一緒に見ていきましょう。 

アメリカ

アメリカではNCLEX-RNと呼ばれる正看護師試験に合格することで、資格を取得できます。

資格取得を通して就労ビザや永住権も取りやすくなるため、大きなメリットを得られるでしょう。

ただしNCLEX-RNを受けるためには、まずCGFNSという団体から看護師として適切であるとの評価を受ける必要があります。
求められる内容は英語力や認定試験など、州によって異なるのが特徴です。


●給料水準

アメリカで働く正看護師の給料は、年収で約700万円となっています。

カナダ

日本の看護師資格を持っている人がカナダで働く場合、まずはNNASの審査をクリアしなければいけません。

母語が英語やフランス語以外の場合はIELTSかCELBANを受けて、高いスコアを取得する必要があります。TOEIC換算で870点以上、英検では1級レベルです。

NNASの審査通過後は、働きたい州の審査を受けます。審査内容は州によって異なり、フランス語能力の証明を求められるところもあります。

また大学卒業を必須とする場合もあるので、各自でチェックをしておきましょう。州の審査にも合格したら、国家資格NCLEX-RNを受験します。


●給料水準

カナダの給料水準は年収約650万~750万円です。

イギリス

イギリスには看護師の国家資格がない代わりに、NMCに登録をしなければいけません。

求められるのは英語力と3年間の看護教育修了、そして学士号取得です。英語力はIELTS 7.0レベル、またはOETライティングC+以上とその他の技能でB以上などとなっています。

学士号を取得していない人は、大学に入学や編入をして学士号を取得しましょう。


●給料水準

イギリスで働く正看護師の給料は、年収で380万円ほどです。

オーストラリア

最後はオーストラリアです。看護学の学士号を取得している人は、英語力や資格を証明できるものをAHRPAに提出します。IELTS 7.0レベル、またはOETのAやB判定など、高い英語力が必要です。その後、NCLEX-RNを受験します。

もし学士号を取得していない場合は現地にある1年または2年の、コンバージョンコースへ通うことで登録資格の取得が可能です。


●給料水準

オーストラリアで働く正看護師の給料は、年収で700万円ほどです。

国際医療ボランティアで看護師として働く方法

国際医療ボランティアは、名前の通りボランティア活動です。そのため給料は無償、または数万円程度としているところも珍しくありません。

高い給料を求めるのではなく医療が充実していない地域で、困っている患者さんを助けたいと思っている人に向いています。

活動期間は数ヶ月の短期から、2年などの長期とさまざまです。

ジャパンハート

ジャパンハートは途上国を中心に、医療スタッフを派遣している団体です。カンボジアやラオス、ミャンマーを中心にさまざまな国で活動をしています。

国際看護師研修を行うなど、人材育成にも積極的です。


詳しくは「特定非営利活動法人ジャパンハート」のHPを参照してください。

JICAボランティア

JICAボランティアはJICA海外協力隊のこと。政府開発援助の一つとして行っている事業です。

最大2年間、途上国の特定地域に派遣され、要請内容に応じた活動を行います。看護師1人だけで派遣されることも多く、現地のスタッフと協力をしながら活動を進めていくのが特徴です。


詳しくは「JICA海外協力隊」のHPを参照してください。

国境なき医師団

国境なき医師団は世界各地に28の事務局を持つ非政府組織。ノーベル平和賞の受賞歴もある、世界的に有名な団体です。

紛争地の他にエボラ出血熱などの、重大な感染症が発生した地域でも活動をしています。環境が厳しい場所での活動となるため、ストレス対処能力や危機管理能力など、高いスキルが求められるでしょう。


詳しくは「国境なき医師団」のHPを参照してください。

世界の医療団

最後は世界の医療団です。フランスで設立された団体で、医療スタッフを各国に派遣しています。

世界中の医療から疎外された人たちを対象に医療を届け、人種や民族などの壁を超えた支援を行っているのが特徴です。


詳しくは「国際協力NGO世界の医師団」のHPを参照してください。

看護留学で看護師として働く方法

最後に看護留学で看護師として働く方法を紹介します。

現在日本の看護師資格を持っている人なら、給料をもらいながらアシスタントとして働くことが可能です。

ただし留学前にある程度の語学力が必要なので注意しましょう。留学を斡旋している企業によってプランの詳細は異なります。


知識や技術を深める、国際協力への土台を作る、海外の看護師資格を取得するために足がかりとするなど、参加者の目的はさまざまです。

まとめ

世界で活躍する国際看護師として働くためには、いくつかの方法があります。

海外で資格を取る、国際医療ボランティアとして派遣される、看護留学をするなど、あなたの希望やニーズに合わせて選びましょう。


仕事内容や給料、求められる語学力などはそれぞれで異なるため、いろいろと比較検討してみることが大切です。

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